◆朝日新聞より−2003年(平成15年)1月4日掲載
副作用・禁忌症、一目で分かる 薬害防止に効くソフト考案
日本薬剤師会の前会長で、東京都練馬区の「アスカ薬局」経営者、佐谷圭一さん(64)が、薬の副作用などが一目で分かるコンピューターソフトを考案した。「このソフトを使えば、重い副作用などが出るケースがすぐに分かり、医師に処方の変更を進言できる」と、薬害防止のため普及に力を入れている。
このソフトを入れたパソコンに、新たに調剤した薬の名前を打ち込むと、佐谷さんが「裏処方」と呼ぶ副作用や禁忌症の略語が打ち出される。便秘の副作用があるなら「B」、妊娠時に服用してはならない場合は「妊」といった具合だ。複数の薬を調剤する場合、同じ副作用の薬があったり、飲み合わせで危険が高まったりすることが分かる。副作用などは、パソコンに一度入力しておけばよい。
開発のきっかけは約10年ぶりの現場復帰。昨年3月まで日本薬剤師会の会長を務めた佐谷さんは、医薬分業と、患者に投与された薬の記録(薬歴)の管理を推進してきたが、久しぶりに店頭に立ってがくぜんとしたという。「店を離れていた間に、薬の種類が大幅に増えた。副作用や悪い飲み合わせのすべてを薬剤師が覚えることは、不可能。店頭で分厚いマニュアルをひっくり返していては仕事にならないので、ソフトがあればと思いました」
ソフトメーカーと交渉し、薬局で広く使われている調剤報酬明細書(レセプト)作成用のソフトを改良してもらい、11月半ばから使い始めた。効果は上々で、例えば以前から「唇の皮が乾いてむける」と訴えていた患者は、そうした副作用を持つ薬が複数処方されていたことが分かり、医師に処方を変えてもらったところ、症状が改善したという。
「医師と対等の立場で発言できるようになってこそ、医薬分業の成果があがる。モノが言える薬剤師になるために、役立たせたい」と佐谷さん。作成用ソフトはコンピューターと一緒にリースされているので、リース会社がソフトを改良型にすればすみ、薬局側に追加費用はかからないという。
【写真】
パソコンで「裏処方」を見る佐谷さん=東京都練馬区春日町の「アスカ薬局」で
(クリックすると記事が拡大表示されます)
|